30代。おしゃれって何だろうって迷ったら、読んでも損はない本です。
服の良し悪しに興味のない人は、
元より服のことで相手を判断しませんよ。服に先入観を持たない相手に渋面を作られたなら
それは全体的に嫌悪感を持たれたという事では
ないですか。「王様の仕立て屋 ~下町テーラー~ 1巻収録 #5 鎮守の鬼瓦」より引用
久しぶりに本の感想を。
イタリア ナポリでテーラーを営む織部親方。
訪れる客は人生に行き詰まり、それでも打開策を見出そうとあがく人ばかり。
そして、自らを振り返り、外見を変えることで未来を切り開くというのが大筋。
1話、もしくは数話完結の話が多く、とても読みやすいです。
2003年の連載開始から16年目となる、「王様の仕立て屋」シリーズ。
男の装いは何たるか、を教えてくれるマニュアル、教本の役割も果たしているのですが、過去のシリーズはイタリア、スペイン、アメリカなどの欧米圏が主な舞台。欧米の価値観を中心にした話が多く、「理屈はわかるけど、ここは日本だよ。」という心の中でツッコミを入れていました。
第4作目となる、今回の作品は舞台が日本のテーラーという事もあり、登場人物もほぼすべてが日本人。
日本の文化的な背景を掘り下げながら、スーツをはじめとする洋装文化が日本にどう取り込まれていったか、また、それらを踏まえながら、おしゃれとは何か、を描いています。
冒頭の引用は、おしゃれの上級者を自認するお客が、自慢の装いで営業先をまわるが、
期待した成果が出ない事を愚痴ったことに対しての織部親方の一言。
外見を整えても、全ての人が理解してくれるわけではない。というメッセージです。
あと、30代後半~40代のビジネスマンが心得ておくべき作法を所々で説明してくれています。重要なビジネスの場では、丈の短いスーツジャケットは避けた方が良さそうです・・・
興味を持った人はぜひお読みください。
なお、本シリーズの序章のお話は、前シリーズの最終巻に収録されています。
王様の仕立て屋?フィオリ・ディ・ジラソーレ? 7 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 大河原遁
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2018/07/19
- メディア: Kindle版
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